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深酒した人妻が帰宅後に体の疼きを抑えられず夫だと思って仕掛けた人違いの夜の営み

この記事の所要時間: 457

頼子が久しぶりに深酒した。

午後六時に始まった小学校の同窓会が二次会に流れ、三次会に付き合ったところまでは憶えている。

でも、その後、どうやって家までたどり着いたのか殆ど憶えていなかった。

それでも酒には強い方なので、足取りはしっかりしている。

玄関で鍵を差し込もうとするのだが、何度やっても上手く入らない。

おかしいな、と思いながら別の鍵を差し込むと今度はすんなり入った。

「何だ、こっちの鍵だったの。」

深くは考えず、玄関に転がり込んだ。

 

男物の靴が目にとまった。

「あら、やだ。帰ってるわ。泊まりだって言ってたのに。」

独り言を言いながら靴を脱ぐ。

ハンドバッグをテーブルに置き、次々と洋服を脱ぎ捨てる。

一刻も早くシャワーを浴びて、体から酒を抜きたかった。

「何でシャワーがないのよ。」

浴室にあるはずのシャワーがない。

ぶつぶつ言いながら風呂の残り湯を立て続けに浴びた。

頭の芯にしみ通る水の冷たさが気持ちよかった。

 

「清さん、もう寝ちゃったの。」

浴室から出ると、バスタオル一枚巻いた体で隣のドアを開ける。

夫の微かないびきが聞こえて来た。

「帰って来たんなら、起きて待っててくれればいいのに。」

バスタオルを床に落として、生まれたままの姿でベッドに潜り込む。

 

「ただいま。」

夫の体に手を回した。

「よく寝てるわ。まったく。」

夫の手を取って自分の方に引き寄せる。

 

結婚して三年。

同窓会であらぬ期待をしていたせいか、今日の頼子は体の疼きを抑えることができない。勿論、このままでは眠れなかった。

脚の間に引き寄せた夫の手を自分の体に擦り付ける。それでもその手は動かない。頼子が焦れたように腰を何度も振った。

暫くして夫の指が確かめるような動きを始めた。

寝ぼけているのだろうか、いつもと動きが違う。

「やだ、何やってるのよ。」

思わず腰をくねらせた。指先が後ろを探り始めたのである。

そうされたことは一度もない。夫は勿論、他の誰にも。

 

夫の腹に手を乗せた頼子が思わずドキッとした。

少し太り気味の夫には無縁の、固く締まった腹筋を感じたのである。

そのまま手を下着の中に差し入れてもどこか勝手が違う。

夫は結構毛深いのでお臍のすぐ下から毛が生えている。

しかし、頼子の手はいつまでたっても滑らかなスロープを下って行くだけだった。

ようやく指先に毛が触れた。そのまま下ろした手で握りしめる。

その瞬間、頼子の体が冷水を浴びせられたように凍り付いた。

 

(違う、夫じゃない)

今、握りしめているものは夫よりも少し細めだが長さがはるかに長い。

そして、何よりも形が違う。この手触りだけは間違いようが無かった。

(そう言えば、ここはうちじゃない)

頼子の頭がようやく回り始めた。

そうだ、ここは前に自分が住んでいたアパートに似ている。

玄関も、間取りもそれに間違いない。だから、違和感が無かったのだ。

 

(この人、誰)

手の平にじっとりと汗が噴き出す。

今、自分は見ず知らずの男のものを握りしめている。

そして、その男の指が頼子の体をリズミカルに刺激し続けていた。

(どうしよう・・・)

酔いが一度に醒めて手が震えた。

飛び起きて謝ろうと思ったが、何と言い訳けしていいか分からない。

間違えました、ごめんなさい、では済まされない状況なのである。

 

あれこれ考えながら、それでも頼子は握った手を動かし続けた。

男の体はそれに大きく反応している。

男の指が頼子の中に入ってきた。上手な指の動きだった。

その指がスッと滑った。後ろへの愛撫は経験がない。

恥ずかしさが入り混じり、それが頼子の身体から自由を奪って行った。

(このまま気付かない振りして、行くとこまで行っちゃえ)

頼子が決心するまでに、それ程時間は掛からなかった。

 

「来て。」

頼子が男の体を引き寄せた。待っていたように男が上になった。

(長い)

貫かれた瞬間、頼子はそう思った。

夫の場合はかろうじて奥に届く程度だが、今は奥に届いた先端が更に深く頼子を貫いた。

それは頼子が初めて味わう感触だった。

 

頼子が思わず声を上げた。

一旦入り口まで戻ったものが今度は斜めに押し入って来たのである。

くねるように入り、再び奥に強い圧力が生じた。

今度は角度を変えて、また斜めに何度も押し入ってくる。

夫の場合は押し広げられる感じなのだが、奥までしっかり貫かれると、また別の快感がそこに生まれることを頼子は初めて知った。

 

気が付くと、頼子の上から男の体が消えていた。

いつ離れたのかも憶えていない。

そんなことは、未だかつて経験したことがなかった。

「素敵だった。」

頼子が甘えるように男の脇の下に顔を埋めた。

「え、」

男が驚いたような声を上げた。

「何、どうかしたの。」

「その声、もしかして、頼ちゃん。」

今度は頼子の背筋が凍った。

自分のことを頼ちゃんと呼ぶ男は、この世に一人しかいない筈である。

 

「マーちゃん、なの。」

男は暫く答えなかった。

「ねえ、本当にマーちゃんなの。」

頼子が男にしがみついた。

二人の間に挟まったものが、少しだけ元気を取り戻していた。

「参ったなあ。」

「やっぱり、マーちゃんだ。」

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