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先生と僕のピュアボーイズラブ

この記事の所要時間: 548

冬。土曜日の午後、僕は先生の家にい来ていた。

今日は初めての、先生の家でのお泊まり。朝早くから来たかったのだけれど、先生の都合が少し変わってしまったらしい。

午後、それも夕方近くからお邪魔することになった。

先生は、学校に近くのアパートの二階に住んでいて、部屋はそんなに大きくない。

物が少し散らかっていた。それに、スポーツの道具がたくさんある。やっぱり体育の先生だなぁ。

僕はドキドキしていた。毎日会っているのに、なんだか今日は初めて会うみたいにドキドキする。

「ごめんね、今日、時間が遅くなっちゃって」

先生は紅茶を入れながら僕にそう言った。

僕はあまりにドキドキして言葉が出てこない。

「ううん、大丈夫」

もっと気が利いた返事は出来ないのだろうか、僕は自分が少し嫌になった。

先生が紅茶を運んできてくれると、アプリコットの香りがする。

「はいどうぞ」

「ありがとう、アプリコットだね?」

僕がそう聞くと、先生はいつもの笑顔で「ああ、お客様用のね」って答えた。

僕も笑顔で「お気遣い、どうもありがとうございます」と答えると、先生はニコッと笑った。

 

その後は、くだらない話をしたり、少し勉強を見てもらったりして過ごした。

夜ご飯は、野菜と豚肉を炒めた野菜炒め、ワカメとお豆腐みそ汁、ご飯、などなど先生が作ってくれた。

僕は先生を手伝って、本当に美味しいご飯ができた。何よりも、先生と食べるご飯は最高だった。

そして、先生から先に風呂に入ってと言われたが、僕は「一緒に入ろうよ」と先生を誘う。

すると先生は「うちの風呂狭いからな」と言ったけれど僕は譲らず、一緒に入ることになった。

僕は上着を脱いで、靴下を脱いで、ズボンを脱いで、先生もあとパンツ一枚だけになった。

「もうお互いに見たことあるし、隠す必要なよな」と言ってパンツを降ろした。

先生の股間ぶらっとした。先生は先に扉を開けお風呂に入る。僕は、自分の勃起し始めた股間を気にせずパンツを降ろし、後に続いた。

冬のお風呂は寒い。先生が先に洗うよう進めてくれたが、僕は先生が先にと先生を座らせた。

「洗ってあげる」

「いいよ」

「いいから」

僕は先生の背中を洗い始めた。大きな背中。男の人の大きな背中。僕は体が熱くなる。

前に手を回し胸を洗おうとすると、「自分でやるよ」と先生が言った。けれど僕は続けた。

「いいから」

僕は先生の胸を洗った。乳首に手が当たると、先生は身の震えを押さえた。

僕に気づかれないように。そして、洗う場所を下へ降ろしていく。

先生は股を閉じて「そこは自分でやるから」と、笑いながら言った。そして、僕も体を洗い、二人で浴槽に浸かる。

「やっぱり狭いな」と先生。

「いいじゃん。僕ら仲いいんだから」と、僕は先生に笑顔で言う。

すると、先生も笑顔で「そうだね」と言った。

 

先生の家には布団がひとつしか敷けない。

「すまないな、布団一緒で」

先生は申し訳なさそうな顔で僕に言った。

「全然構いません」と僕は笑顔で答えた。すると、先生は顔を明るくした。

電気を消した。

「おやすみ」

「おやすみなさい」

僕はなかなか眠れない。ドキドキして眠れない。僕の鼓動が先生にも聞こえてしまいそう。

 

ドキドキ、ドキドキ、ドキドキ、えっ。僕は驚いた。

 

僕と先生との体のくっついた部分から先生の鼓動が聞こえてくる。

先生がドキドキしているのか。

「先生?」僕は言う。

すると「んっ?」と先生が言う。

僕はあまりにドキドキしていたので、次の言葉が見つからず「ううん、おやすみなさい」と言った。

「ああ、おやすみ」

少し経ってから、僕は目を開く。先生は寝ただろうか。分からなかった。けれど僕は先生の方に体を向け、腕を先生の胸の上に回した。先生はそのまま動かない。

僕は、手を動かし胸をなでる。程良く筋肉の付いた胸。乳首に触れるとそれはすでに、硬くなり始めていた。

僕は、先生の横顔を見る。僕の先生の顔。初めて見る、目をつぶった顔。僕は体を起こす。先生はまだ動かない。僕は先生の唇にキスをした。

僕は体中に血が巡りわたるのに気づく。僕は徐々に手を下ろし、先生の股間を触った。なんと、先生の股間は大きく勃起していた。

すると先生は目を開いた。僕はドキッとして体を元の状態に戻す。僕は心臓がバクバクいっているのを必死で抑さえようとするが、駄目だった。

「春樹」先生の声が聞こえる。

「俺のこと好きか?」

「はい」僕はそう答える。

「俺も、春樹のこと好きだよ」

先生の鼓動がまた聞こえる。僕は次の言葉が怖くて、それを待たずに言う「だから、先生とやりたい。先生にやって欲しい」と。

すると先生は、体ごと僕の方に向き、僕の体も先生の方に向かせて言った。

「ばか」、と一言だけ。

そして、先生はいつもの笑顔で僕に笑って見せた。僕の目から涙が流れ落ちる。先生はそっとそれをぬぐう。

「好きだから、今は何もやったら駄目なんだよ。春樹が一人の人として大きく成長して、そして、その時まだお互いを好きだったなら、その時に、その時まで大切にとっておこう」

先生はゆっくりと、力強く言った。先生は僕を抱き寄せると子供を慰めるように頭をなでた。

僕は先生の胸の中でうなづいて、泣いた。

 

七年後の夏、僕は留学先の学校の休みを利用して、日本に帰ってきている。

あの学校を卒業して、そして留学した僕。もう、何年も先生に会っていない。

今僕は、あの時お世話になった先生の家へ向かっている。

僕がどれほど成長したかを見てもらうために。先生は僕が分かるのだろうか。

32歳になった先生は、あの時の僕を覚えていてくれるだろうか。

「ここが、君が育った町?」

ジョンが僕に尋ねる。ジョンは僕のパートナー。留学先の学校で知り合った。

「ああ。ここが僕の町だよ。そして、ここが僕の初恋の人が住んでいるアパート」

僕はジョンに答え、何も変わっていない先生のアパートを見上げた。全てが懐かしく感じる。

アパートの階段を一段ずつゆっくりと登り、先生の部屋の前まで来る。僕は、ベルを押す。

「はい、ちょっと待ってください」

聞き覚えのある、懐かしい声が聞こえてきた。全然変わってない先生の声、すこし落ち着いた先生の声。

扉が開き、先生の顔が見える。

「先生、こんにちは。春樹です」

 

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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